ケーキを切れない非行少年たち
Twitterで見かけて気になって読んでみました。
ケーキを切れない非行少年たち
宮口幸治
新潮社
この本について
児童精神科医である筆者は、多くの非行少年たちと出会う中で、「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。
少年院には、認知力が弱く、「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。
人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。
この本を読んだ感想
この本を読むきっかけとなったのは、Twitterでのこのツイートを見たことからです。
ちょうど、お盆期間中の台風が来ていた時に河原でバーベキューをしていた一行が取り残されて救助を待っているというニュースが流れている頃のツイートでした。
確かそのニュースでは、その一行の中には一歳未満の赤ちゃんもいると報じていました。
台風が来ているというニュースがテレビやネット上でも散々流れていたのにも関わらず、そんな中で赤ちゃんも連れて河原でのバーベキューに行き、トラブルに遭っている…その事を受けてのこのツイートなんだと思いました。
話がズレてしまったので、本の話題に戻します。
『ケーキを切れない非行少年たち』
本のタイトルからして意味が分からない…
ケーキが切れないとは…??
この本に興味が湧いたので読んでみたいと思いましたが、3軒目でようやく確保しました。
近所の大型書店やチェーン店では在庫切れで、近くのショッピングセンターの中の本屋さんにダメ元で電話を掛けてみたところ、一冊だけ在庫があるということだったので、取り置きしてもらいゲットしてきました。
とても可愛いカバーブックにして貰いました笑
ページ数もそこまで多くなく読みやすかったです。
同じ内容が何度も出てくるところがあり、そこは少しくどいかなーとは思いましたが、読み応えのある内容でした。
少年院や刑務所とは縁が無く過ごしてきたので、その中での色々なことをまず知ることが出来ました。
女の子でも『少年』と呼ばれることも知りませんでした。
他には、そういった施設に収監される少年たちの傾向なども知らないことばかりでした。
凶悪事件を起こす犯人は『サイコパス』のような何を考えているのか分からない人間ばかりだと、個人的には思っていました。
仮説段階のものもありますが、検査等などを通してある共通点が見つかったりするなど、冷静に様々なことが書かれています。
非行少年たちが、いかに現代社会の中で生きづらいかが書いてあるのですが、それは私には思いもよらない内容でした。
タイトルにも出てくる、ケーキを切れないという現象も、家庭環境(家庭などでケーキやピザなどが出てきて切り分けるようなイベントなどがない)だけでは無いことも説明されましたが、それにも私は驚きました。
『反省以前の子供』という衝撃的なワードも、なるほどと思いました。
意外にも、その辺りの子供達が非行に走る可能性も少なからずあるということや、今後その子供達がどうなっていく可能性が高いのかという話もありました。
著者が書いている『子供がサインを発する年齢』までは、我が家の子供達はまだ数年ありますが、注意深くみていく必要があるなと感じました。
ある人が読めば、この本は当然の内容ばかりなのかもしれないですが、そうじゃない人(私も含む)も大勢いると思います。
率直に書くと、根本的に『土台や基礎みたいなものが違う』と感じました。
この本を読んでからは、事件のニュースの見方が少し変わった気がします。
やはり勉強も、スポーツも、保育園や幼稚園などでの社会生活も大事だなと改めて思いました。
勉強やスポーツなどで一番になることも大切ですが、基本的なレベルまで色々な事が出来るに越した事は無いですね。
そして、自分のI.Qはどのくらいなんだろう?と思い立ち、ネットのものではありますがI.Q検査をしました。
制限時間が設けてないからだからだと思いますが、結構良い数値が出ました。
I.Qだけでは無いんですけどね、ということがこの本の中には書かれています。
あらかた読み終えたので、男の子3人を育てている妹にこの本を貸そうと思います。
特に小さなお子さんを育てている方は、一度読んでみたらいかがでしょうか。