[きゅーぴーとは呼ばないで★★]

きゅぴです。小2と年中姉妹2人を抱えるWMです。WMの日々の過ごし方や子供達の話、好きなものについても書いています。好きなものとして、音楽([ALEXANDROS]、sumika、フレデリック)や漫画(主に少女漫画)などについても書いています。日記のように見返せるものを書きたいと思っています。

青に、ふれる。

気になっていた作品でした。

試し読みで読んでから、気付いたらポチってましたね…

 

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青に、ふれる。

鈴木望

 

【あらすじ】

生まれつき顔に太田母斑(おおたぼはん)と呼ばれる青いアザを持つ女子高生・青山瑠璃子

アザのことを気にしすぎないよう、周りにも気を使われないよう生きてきた。

新たな担任教師の神田と出会った瑠璃子だが、ある日神田の手帳を目にしてしまう。

クラスメイトの特徴がびっしりと書き込まれているのに、自分だけ空欄なことに気づいた瑠璃子は神田を問い詰めに行く。

しかし、神田は“相貌失認(そうぼうしつにん)”という人の顔を判別できない症状を患っており――。

 

【この作品について】

月刊アクションにて連載中の鈴木望先生による作品です。

既巻は2巻。

太田母斑というアザを持つ女子高生と、人の顔を判別出来ない新任担任教師との物語です。

 

私は、『太田母斑』『相貌失認』についても、この漫画を読むまで知りませんでした。

なので、簡単ではありますが、私なりに調べたことをここにも載せますね。

 

『太田母斑』について

太田母斑を持つ人の約80%は女性で、そこまで稀ではない疾患のこと。

日本人の名前が付いている事から、黄色人種の女性に多く見られるそうです。

青褐色のアザが、顔の左右どちらかに見られることが多く(両方に出る方もいる)、アザの範囲によっては白目の部分まで青くなることも。

生後すぐに現れる『早発型』と思春期に現れる『遅発型』が知られています。

一度発生すると、自然治癒する事はないそうです。

今作の主人公である瑠璃子は『早発型』で、分類を見ると、アザの範囲が一番広いⅢ型に当てはまるのでしょうか。

有効な治療法として、レーザー治療が挙げられるそうですが、白目までは治療が出来ないとのことです。

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『相貌失認』について

100人に1人の割合で起きるとされている、顔を見ても誰の顔か分からず、個人の識別が出来なくなるという症状が起きる疾患のこと。

先天性と後天性とに分かれています。

顔以外の情報(顔の形、髪型、体型、仕草、性格など)で両親などを含めた身近な人物を認識することから、先天性の場合は、疾患の自覚が無いことも多く、現在も治療法が確立されていないので、顔以外の情報で個人を識別するトレーニングをすることで、接客業なども含む日常生活を送ることは可能だとされています。

自身が相貌失認かもしれないと告白した著名人として、ハリウッド俳優のブラッドピットさんが有名だそうです。

 

【2巻までを読んだ感想】

純粋に、色々なことが題材になる時代なんだなと思いました。

 

例えば、私が最近ブログに書いた作品としては、私の今年最大の推しである『ふつうな僕らの』とかも当てはまるのかな。

同じく聴覚について触れている話題作として『ゆびさきと恋々』も。

書いたものを載せておきます。

 

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『ふつうな僕らの』

ふつうな僕らの - [きゅーぴーとは呼ばないで★★]

 

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『ゆびさきと恋々』

ゆびさきと恋々 - [きゅーぴーとは呼ばないで★★]

 

自分で体験していないことはやはり分からなかったりするので、共感出来たり理解出来るかはまた別として、世の中には様々な疾患や個性があることをまず『知れる』ツールとして、私はTwitterを続けているのですが、漫画などもその一つだと思っています。

『ふつう〜』も『ゆびさき〜』も、とてもオススメなので読んで欲しい作品です。

 

顔にコンプレックスがある女の子と、その顔を認識出来ない男性との物語。

主人公である瑠璃子のアザを見て、彼女の人生の中で初めての反応を示す新任の担任教師の神田。

それは、神田にとっても同じで、お互いに対して戸惑いを覚えます。

 

今作はまだ2巻までしか出ていませんが、それぞれが抱える疾患により、想像を絶する想いを抱いて生きてきたことが、至るところで描かれています。

 

璃子の太田母斑はアザの範囲も大きく、誰しもが目に見えて分かるものなので、アザを見た周りの人々のリアクションもダイレクトに瑠璃子に伝わります。

それがまた瑠璃子を傷付けたり、そうやって傷付くのはいけないことだと思い、その気持ちに蓋をして気丈に振る舞うことで、彼女の心に更に負担がかかります。

 

対照的に、神田の相貌失認は周りから気付かれにくく、尚且つ理解されにくく、ある意味、瑠璃子とは全く違う反応を受けながら人生を歩んで来た様子が描かれています。

既巻だけで描かれている瑠璃子の過去も辛そうなのですが、神田の過去も結構エグくて胸が痛みました。

 

今作を読んでいても、先程挙げた『ふつうの〜』も『ゆびさきと〜』に出てくるキャラ達も皆、ハンデとして人に気遣われる事無く、生活したいと願っているのですが、それは一筋縄ではいかず、様々な困難にぶつかります。

意図せずに彼らを傷付けてしまったり、大人でも受け入れることが出来なかったりする人々もいます。

彼らに携わる人達の心境なども少しずつ描かれているので、その背景なども読んでいて思うところがありました。

ですが、きちんと彼らに寄り添う味方も大勢登場します。

 

そんな2人だからこそ分かり合える痛みもあるし、お互いの存在が、2人の人生の中で初めての立ち位置を獲得していく様子も、少しずつ丁寧に描かれています。

ただ、2人は生徒×先生という立場なのに加えて、2人を取り巻く人達も続々と登場してきているので、2人の関係性がどう変化していくのかも楽しみです。

ぜひ読んで欲しい作品です。

 

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