ゆびさきと恋々
てっきり書いているかと思いきや書いてなかった…
ゆびさきと恋々
森下suu
【あらすじ】
女子大生の雪は、ある日困っているところを同じ大学の先輩・逸臣に助けてもらう。
聴覚障がいがあって耳が聴こえない雪にも動じることなく、自然に接してくれる逸臣。
自分に新しい世界を感じさせてくれる逸臣のことを雪は次第に意識し始めて…!?
【この作品について】
『日々蝶々』や『ショートケーキケーキ』の作者である森下suuさんの新作です。
漫画雑誌デザートで掲載されています。
連載が始まったばかりの作品なので、1巻が既刊で2巻が5月に発売予定です。
元々、森下suu先生の作品が好きで、『日々蝶々』や『ショートケーキケーキ』は読んでいました。
『日々蝶々』について書いたブログは無かったのですが、『ショートケーキケーキ』は途中の巻でのブログを発見しました。
『ショートケーキケーキ 9』 | きゅーぴーとは呼ばないで★
現在、作者の森下suuさんのTwitter(@morisita_suu)内で今作の1話が読めます。
既に、メディアなど沢山のコンテンツで紹介されている話題作です。
【作品を読んでの感想】
今作は漫画雑誌デザートからの連載ということで、デザートを毎月買っている私は連載を心待ちにしていました。
ざっくり言うと、聴覚障がいのある主人公の女の子と世界中を旅する男の子とのラブストーリーです。
お互い、同じ大学に通う学生という共通点はあるものの、出会うまでに生きてきた世界や価値観などはまるで違いそうな2人。
色々な違いに驚き、距離が近づいて行きます。
型破りな逸臣に戸惑いながらも惹かれていく雪と、雪の世界観に興味を持つ逸臣。
森下suu先生の描く主人公は、自己表現がすごくハッキリしている女の子は少ない気がします。
それは、各々の過去や環境が関係している部分も大きいとは思うのですが…
口数少なめの女の子が登場することが多い印象があります。
その分、ある一定の人物だけには、リアクションがオーバー気味で可愛い。
『日々蝶々』のすいれんちゃんも然り。
すいれんちゃんは、美貌故にリアクションをする度に周りの反応が物凄く大きく返ってきて、それに辟易してしまい、次第に口数やリアクションが少なめになってしまった女の子。
そのすいれんちゃんと、不器用な空手バカの川澄くんとのやり取りで胸がキュンとする『日々蝶々』もオススメです!
話が逸れましたが、今作では特に主人公の雪の感情表現が難しい部分もあって、オーバーリアクションは、彼女の性格も大きいかもしれませんが、今までの雪の世界ではとても重要な感情表現の1つなのかなと思いました。
話せない外国語を身振り手振りで伝える感じに似ている気がします。
でも、そうじゃないと周りに伝えるということが難しかったというのもあったでしょうね。
周りの人達も優しく雪に接していますが、唯一分かりやすく雪に棘を刺す、幼馴染の桜志。
今のところ、彼だけが手話を用いて雪と接していますね。
雪の親御さんとは、手話を用いずに会話しているシーンが出てきて衝撃的でした。
てっきり、親御さんとは手話でやり取りをするものだと今まで思っていたからです。
この作品を通じて、聴覚障がいについて知ったことがいくつかあります。
手話もいくつか種類があることや、口元を見てコミュニケーションを取ることも多いこと、音が全く聴こえないばかりではないこと…
私みたいな人、多いかもしれないですね。
幼馴染とはいえ、手話を覚えてまで雪とコミュニケーションを取ろうとしている桜志の意図も気になるところです。
桜志は、分かりやすく雪に意地悪をしますが、その点、逸臣の気持ちは見えにくいですね。
海外での暮らしなどが影響しているのか、他人への接し方が日本人より近い逸臣。
そのせいか、周りの女子を惹きつけて止まない逸臣ですが、毎度飄々としている感じ。
雪へ向かう気持ちが恋なのかどうかも怪しいなぁと思っています笑
漫画雑誌デザートは、恐らく高校生向けのものだと思うのですが、雪達が大学生という設定も私としては見やすいところ。
リアルなターゲットの高校生達も、少し未来の話が描いてある感じで読みやすいのではないでしょうか。
『聴覚障がい』というテーマを、優しい世界観で紡いでいる今作品。
どんどん、2人の距離は近づいていますが、まだ気持ちが見えない不安定さが残ります。
一筋縄ではいかなさそうな逸臣さんとの関係が気になりますし、桜志を始め、雪の友人のりんちゃんや、逸臣に恋するエマちゃんの恋の行方も気になるところ。
こちらの作品も、続きが楽しみです。
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