[きゅーぴーとは呼ばないで★★]

きゅぴです。小2と年中姉妹2人を抱えるWMです。WMの日々の過ごし方や子供達の話、好きなものについても書いています。好きなものとして、音楽([ALEXANDROS]、sumika、フレデリック)や漫画(主に少女漫画)などについても書いています。日記のように見返せるものを書きたいと思っています。

映画『十二単衣を着た悪魔』

とうとう観れました!!

そして、めっちゃ長いブログになってしまった…

 

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映画『十二単衣を着た悪魔』

映画『十二単衣を着た悪魔』公式サイト

 

【あらすじ】

「超一流の弟に、一段低い二流の兄貴か……」
伊藤 雷は思わずそう呟いた。

彼は日雇いのバイトで「『源氏物語』と疾患展」の設営に参加、イベント会場に流れる『源氏物語』の登場人物紹介で「デキた弟・二宮」と「後塵を拝した長男・一宮」の関係を知り、シンパシーを抱いたのだった。

なぜならば、同じく弟は頭脳明晰かつ眉目秀麗で、かたや自分は現在、就職試験59連敗中のフリーターの身。

かねてからのコンプレックスを一層こじらせている日々なのである。

おまけに帰宅途中、近所の知り合いから弟の吉報を聞き、自宅に帰りにくくなり、家の周囲をうろついていた雷に衝撃の出来事がーーーー。

 

フリーターの青年が雷に打たれて源氏物語の世界にタイムスリップし、光源氏を忌み嫌う弘徽殿女御に仕えて陰陽師として認められ、成長していく姿を描く。

 

【この作品について】

原作は『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』(幻冬舎文庫)。
無数の名作傑作を生みだしてきた脚本家・小説家の内館牧子さんの手によるもので、ヒントとなったのは映画『プラダを着た悪魔』(06)の、メリル・ストリープが演じたファッション誌の辣腕編集長だ。

つまりはイメージを重ねられた源氏物語』のヒールキャラ、ヒステリックな悪女の代名詞“弘徽殿女御”が実は早すぎたキャリアウーマンであった、という斬新な見立て。

この美しき最強のヒロインが、現代ネガティブ男子を徐々に変えてゆく──。

 

監督を手がけたのは、日本を代表する女優であり、『嫌な女』(16)以来4年ぶり、長編2作目となる黒木瞳さん

2012年の初版時から原作を愛読し、長年の映画化への思いを見事昇華させた。

 

主人公の冴えないフリーター役の伊藤雷を、伊藤健太郎さん

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最強のヒロインとして登場する“弘徽殿女御”は、三吉彩花さんが演じています。

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【そもそも、源氏物語とは?】

源氏物語』(げんじものがたり)は、平安時代中期に成立した日本の長編物語、小説。

文献初出は1008年(寛弘五年)。

作者の紫式部にとって生涯で唯一の物語作品である。

主人公の光源氏を通して、恋愛、栄光と没落、政治的欲望と権力闘争など、平安時代の貴族社会を描いた。

 

今作での登場人物が色々分かっちゃうと面白さ半減だと思うので、画像無しでの人物相関図を挙げておきます。

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義理の息子に当たる光源氏を忌み嫌う、相関図の緑丸で囲んだ弘徽殿女御が、最強のヒロインとして描かれています。

 

弘徽殿女御(こきでんのにょうご)とは?

弘徽殿女御(こきでんのにょうご)は、紫式部が著した小説『源氏物語』に登場する架空の人物である。

後に弘徽殿大后(こきでんのおおきさき)と称する。

右大臣の娘(恐らく長女)で、桐壺帝がまだ東宮であった頃入内した最初の妃。

第一皇子(東宮、後の朱雀帝)と皇女二人(一品宮と斎院)をもうける。

後宮で最も格の高い弘徽殿に住まい権勢を誇ったが、桐壺帝の寵愛を桐壺更衣に奪われたことで、更衣の死後も忘れ形見である光源氏を激しく憎んだ。

 

私が今まで触れた『源氏物語』をモチーフにした作品でパッと思い浮かんだのは、桜田雛さんの『黒源氏物語です。

 

桜田雛さんの最近の作品は、完結した『執事たちの沈黙』ですね。

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執事たちの沈黙

 

電子書籍で買っていたけど、ブログには書いていませんでした…

この方の作品は、絵がえげつなく綺麗なのがまず特徴なのと、笑える描写とのギャップが好きです。

後は、世界観。

人間の結構エグい側面を描くのが上手な作家さんだと個人的には思っています。

初期の作品は、ほぼ全て電子書籍でコンプリート済み。

執事〜もオススメです。

 

そして、紹介したい『黒源氏物語はこちら。

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源氏物語

桜田 雛

 

【あらすじ】

「好きでもない女と結婚する。

それが公達として生きるということならば、まるで死と同義だ…!!」 

花と見紛うばかりの美しき皇子・光源氏

幼き頃、母・桐壺の更衣に先立たれ、臣下に落とされたその胸の内に宿る孤独を知る者はいない。

母の面影を追い、初めて恋い慕った藤壺の女御は、父の妻であった。

当然ながら藤壺と添い遂げられることはなく、光は左大臣の姫君・葵の上と…

---光源氏は、果たして本当に清く美しいだけの貴公子だったのか?

千年語り継がれる歴史ロマンスを、奇才・桜田雛が新たに紐解く。

愛と陰謀を描いた、超訳源氏物語

 

この作品は、光源氏が主人公。

それはそれはもう、お花と見紛う程の美男子なので物凄く美しく描かれています。

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対して、東宮と弘徽殿女御の描写はコレです。

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光源氏がいかに頭脳明晰かつ眉目秀麗だったが、どのような想いを抱え、どのように振る舞い生きてきたのかが、桜田雛さんでの解釈で描かれている作品です。

十二単衣〜を観てから、こちらを見直したらめちゃくちゃ良く分かりました笑

絵も美しく、話もわかりやすいのでオススメです。

 

【この作品を観た感想】

端的に言えば、私は伊藤健太郎さんが好きです。

なので、かなり私情が入っている感想になっている可能性は高いです。

私が伊藤健太郎さんを好きになったきっかけとなったのは、映画『コーヒーが冷めないうちにです。

『コーヒーが冷めないうちに』 | きゅーぴーとは呼ばないで★

 

そして、アシガールなど。

ドラマ『アシガール』 - [きゅーぴーとは呼ばないで★★]

 

最近だと、『今日から俺は!』にも出演していましたね。

 

彼の写真をスマホの待ち受けにしたりする程、普通に好き。

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なので、公開直前になって彼が起こしてしまった事件のことを知り、大変残念に思っていました。

子供達も含めて『大丈夫?』と心配された程です。

 

その影響もあるのか?

私は比較的、映画を観に行く環境には恵まれていて(自動車圏内30分以内に行けるシアターがいくつもある)

時間が出来たら、気になる作品を観に行けるのですが、『十二単衣〜』に関しては、上映しているシアターがほぼ無いという状況でした。

 

そんな中、時間が出来たのと、上映時間も対応出来たので観に行くことが叶いました。

同じ様に観に行けない方、多いんじゃないかな…

 

ストーリーとしては、タイムスリップする辺り、小説ー!!的な展開でしたが、面白かったです。

 

偶然、触れることとなった源氏物語に対して、自分と似た様な境遇の兄弟を見つけて興味を持ったのが、主人公の雷にとって良かったのかなと思います。

偶然は続き、弘徽殿女御を助ける形となり、彼女を支える役回りを与えられます。

ですが、現世で雷が聞いていた弘徽殿女御とは、全く違う女性がそこにはいました。

 

それこそ、容姿端麗で頭脳明晰、かつ悪役上等!と言わんばかりの強い女性だった弘徽殿女御。

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印象的な数々の名言が飛び出てきて、めちゃくちゃカッコ良かったです。

私も口が悪い方なので、あそこまで清々しく生きれたら最高だなと思うと同時に、賢く生きたいと思いました。

 

陽の差す時間帯の十二単衣などの装飾の華やかさ、登場人物たちの美しさ、儚さも印象的でした。

その分、夜の時間帯は、特に光源氏を取り巻く環境が黒い思惑とかそういうのがぐるぐる渦巻いて混沌としていました。

色欲に溺れるとかそういう表現がピッタリ来る感じ。

祈祷の様子なんかも禍々しい感じでしたね。

 

それとは対照的に、ある人物の、連れ添うと決めた相手を一途に思い続けている、そんな場面はとても良かったです。

俳優さん達の演技もとても光っていました。

キャストも様々で良かったですよ。

私は、映画は予告編しか観ずに行くタイプなので、鑑賞中に『えぇっ!?』となる事が多いのですが、今回もそういう配役がいくつもありました笑

登場人物も愛嬌のある描かれ方をしていて、愛着が持てました。

渇望や嫉妬、欲情など様々な想いが渦巻く中で、シリアスな演技は勿論のこと、コミカルな演技も多く、笑えるシーンも結構ありました。

 

 

現世では、優秀な弟に引き目を感じながらコンプレックスにまみれる日々を送り、却ってタイムスリップしたことが良きことだと捉えるようになった頃、急にいなくなったりしないか?というような問いかけをされて戸惑う雷。

ただでさえ、雷自身にも何が起きたのか分からない状況下で、自分の存在意義を探して奮闘している様子は、胸に来るものがありました。

物語の後半は、切ないシーンが多く、目を離せませんでしたね。

 

公開直前に様々な事が重なった映画で、純粋に映画を評価する人は少ないのかもしれません。

何度も言いますが、私は俳優の伊藤健太郎さんのことが純粋に好きで、今作で雷を演じた健太郎さんもとても良かったと思います。

相手役の三吉彩花さんも、物凄く良かった。

凛とした女帝の様な佇まいで、監督の黒木瞳さんから色々指導を受けていたということを後々知りましたが、とても良かったです。

 

ストーリーもエンターテイメント性が豊富で良かったと個人的には思っています。

上映しているシアターが少ない中で、鑑賞が難しいかもしれないですが、興味のある方はぜひ観て欲しいですね。

老若男女問わず推せるのですが、特にアラフォーとかアラサーの女性にオススメしたい映画です。