長閑の庭 7
とうとう…
完結してしまいましたね…
長閑の庭
この作品について
アキヤマ香さんが作者の漫画です。
今回出た7巻で完結しました。
6巻まで読んだ感想はこちら。
『長閑の庭』
ある大学のドイツ文学科が舞台でのお話です。
可愛いものが大好きなのに、過去の経験などからそれを表に出せずに、毎日黒いものを身に付けている『シュバルツさん(ドイツ語で黒いの意味)』こと大学院生の元子が主人公。
ドイツ文学科の榊教授、その助手の田中蓮、元子の友人の樹里、榊教授の元嫁の翠。
不器用で大人の事情が混ざり合う恋愛を描いたお話です。
7巻を読んだ感想
前巻でもある6巻は、不穏な終わり方をしました。
年の差恋愛ってどこまでなら、波風起こし過ぎずに済むのかな?と考えた時にワイドショーを賑わせたニュースが目に入りました。
磯野貴理子さんの2度目の離婚のニュースを見た時に、この作品のことを思い出しました。
人生のステージが違う者同士だと、世の中のいわゆる『普通』を経験していくのが難しいのだなと。
年の差も20歳以上離れていくと、そういった問題が生じてくるのだと改めて思いました。
世間から子供扱いされたり、誑かしてると思われたりだとか…
色々なことに敏感になって、生きづらいんだろうなと。
それを感じさせない年齢差ってどのくらいなんですかね…15歳くらいまででしょうか…
うちの両親も年の差でしたが(16歳差だったかな?)父は若い母に引っ張られて?若々しかったですし、持病が悪化するまでは元気でしたね。
年の差婚のイメージは全く悪くないけど、限度があるのかなとは正直思います。
当人同士が人生の歩み方を決めたとしても、外野の風当たりが強いこと。
それが読んでいて辛かった。
これは、当事者にならないと分からないだろうな。
多分、年齢的には娘が私達に近い年齢の男性と結婚する感じになる訳だから。
難しい話です。
同じ人を好きになっても、年齢や立場によって立ち回り方が全く違ってくる。
黒い感情に戸惑う、自分の魅力に気付かず恋を知らない20代の学生の女の子。
聡明で落ち着きがあり、情に厚いが堅物で誤解を受けやすい60代の教授の男性。
飄々に生きているように見せて、実は情熱的で報われない想いに悩む30代の助手の男の子。
明るくエネルギッシュで、美しくも大人の小狡さを併せ持つ美魔女の50代の講師の女性。
今までの人生経験なんかも全く違うから、当然のことなんだけれど、年齢差の分だけジェネレーションギャップみたいなものも凄いなと感じました。
榊教授の元妻の翠が、元子に対して年齢だとか経験の無さなんかを詰るシーンが結構印象的だったけれど、私は榊教授と元子のデートのシーンも幸せな感じで好きでしたね。
まず20代でのデートで穴子食べに行くとかないですもんね?
『こんな理由で、郁夫くんを取り合いたくなかった』という翠のセリフも胸に刺さりました。
翠は、将来目指したい女性像に近くて(ハードル高すぎだけど)共感出来るものも多かったです。
私は、元々助手の田中くん推しなので、今後は元子ともっと寄り添えると良いなぁと思ってしまうのですがどうなんですかね。
教授の存在が、元子にとって『呪い』になるのは、とても悲しい。
教授が危惧したようにはならないで欲しいですね。
ですが、最終巻である今巻の7巻の完結の仕方が、一番しっくりきたような気がします。
そうなったら嫌だなと思いつつも、結末に対して少しほっとしてしまったような…
年の差を除けば、いづれは誰しもに降り掛かることではありますよね。
元子はパッとしない外見だけれど笑
絵は素敵だし、男性陣や翠は色気があって良いですよ。
年の差がものすごくあるので、そこが気にならなければぜひ読んで欲しい作品です。